ROE 2014 6 29
書名 自衛隊VS中国軍
出版社 宝島社
中国の党中央は、
経済においても、
公害のような環境問題においても、
日本との協力関係が必要であると考えているでしょうが、
それでも日本と戦争が始まってしまう可能性があります。
現場の兵士たちが、党中央の意向を無視して、
勝手に動く可能性があるからです。
現場の兵士たちからすれば、
「経済なんて、俺たちには関係ない。
そもそも経済が発展したところで、
党幹部や軍の幹部の懐が豊かになるだけで、
俺たちには何のメリットもない」と考えています。
この本でも、現場の兵士による独断行動が原因で、
日本との戦いが始まってしまう可能性を指摘しています。
中国の艦隊司令部が、パイロットに対して、
無線で、再三、引き返すように命令していても、
血気に逸る兵士が独断行動に出てしまうのです。
さて、どうなるか。
大方の予想と違って、
自衛隊のF15戦闘機が数多く撃墜されてしまうでしょう。
多くの日本人は、
「驚きだ。あり得ない。信じられない」と思うでしょうが、
それが現実です。
確かに、F15戦闘機は、今でも世界最強の戦闘機と言えるでしょう。
さらに、自衛隊のパイロットの技量も世界トップレベルでしょう。
しかし、法制度に問題があるのです。
もっと正確に言えば、この本では、
ROE(交戦規定)に問題があると書いてあります。
自衛隊では、ROEを部隊行動基準と呼ぶのでしょうが、
この部隊行動基準では、
会敵に有視界確認を求めています。
要するに相手に交戦意思を確かめるのです。
これでは、まるで第二次世界大戦でゼロ戦が戦った時のルールのようなもので、
現代においては、骨董品に近いものがあります。
機銃で戦ったゼロ戦時代は、これで問題ありませんが、
ミサイル時代の現代においては、このようなルールは骨董品と言えるでしょう。
普通は、目視外射程からミサイルを発射して敵をやっつけるのが、現代の戦い方です。
伝統を重んじる航空自衛隊は、
いまだにゼロ戦時代の交戦規定を採用しているのでしょうが、
サムライの時代は終わったのです。
今の時代は、かなりの遠距離からミサイルを発射して敵機を撃墜する時代です。
サムライの精神からすると、「卑怯である」と思うかもしれません。
「まず、戦う前に、身分や家柄を確認するのがサムライ精神である」と思うでしょうが、
ミサイル時代においては、戦い方が違うのです。
ゼロ戦時代の栄光は忘れた方がいいのです。